『倭訓栞』は式神の出自について別の説を引いています。
すなわち、「実は人形の識神にて、巫盤の妖術なりといえり。(略)古記に式に厭著などというも身の代の人形より起るともいえり」とある。
身の代の人形とは、祓えなどで人の罪汚れを移して流す人形のことです。
木製や金属製のほか、紙や藁の人形が使われたことが、遺物や文献からわかっています。
人形としての式神という説から連想されるのが、高知県の民間呪術者集団「いざなぎ流陰陽道」の式神(式王子)の術です。
彼らは式神を人に愚けることを平安時代ふうに「式を打つ」といいます。
「伝承によれば、大昔の祈疇師たちは『法競べ』と称して剣術の真剣試合のごとく、互いに式を打ち合って呪術を競ったといいます。その時、両者の『式王子』すなわち『式人形』(式王子の幣)が、空中に飛んで激しく争ったといわれる」(小松醸霊信仰論』)。
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